京都へ。

午前中、神戸に住んでいる大学の先輩から連絡があり、急遽京都へ。




大学時代の先生(新 村 則 人さん)が、嵯峨美で講演をするということだったので、神戸の先輩一家と一緒に聞きに行ってきました。
私は一年しかお世話にならなかったし、しかもその先生のゼミじゃなかったからほとんど交流もなかったので、先生に会うまではちょっとドギマギしてたけど。大学に着いて、先生と少し話をする時間があったのだけど、あれ…こんなにやわらかい人だったかな?と思うくらい、大学時代の印象と少し違ってたなぁ。もともと物腰はやわらかい人だったけど、もっともっと厳しい目をしてたような、そんなイメージだったんだけど。…ただ単に、あの頃のわたしが先生のことを知らなさ過ぎただけかもね。
ガシガシ意欲的に作っているのは昔から変わらず。先生は8人兄妹の末っ子で、一番上のお兄さんとは20歳も年が離れていて、そのお兄さんや姪っ子甥っ子たちにもわかってもらえるように、誰が見てもわかりやすいデザインを心がけているとおっしゃっていたのを聞いて、地元愛、家族愛…、そういった面では自分にも近いものがあるなぁなんて改めて思ったり。先生の作品は、家族への愛であふれてる。「地方出身者」というのがコンプレックスだったみたいだけど、今はそれを強みにかえてどんどん作品を作り出している。弱みを強みに変えられる力って、生き残っていくには必要な力だよなぁ。
その後、先生+他2人での対談もあったんだけど、観光デザインとやらの先生が強烈キャラ過ぎて、まぁひどかった(笑)一人で興奮してテンション上がっちゃうわ、逆に会場はどんどん引いてっちゃうわで、傍から見てておもしろいっちゃおもしろかったんだけど、なんだか変な時間だったなぁ。それが長引いたおかげで、新村さんの展示見れなかったのがとても残念。原物を見れる機会ってなかなかないし、せっかく来たからには見たかったのになぁ。観光デザインの先生め…。

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その後、本当は大阪に戻る予定があったのに、これまた急遽、大学の先輩(女性)が働いている唐紙「唐長」の工房を見せてもらえることになり、絶対こっちに行きたい!と思って、大阪の予定をドタキャンし(ひどい…)、工房がある修学院へ。
正直ね、予定をキャンセルしてまで行って、本当に良かった。
一般の人は見ることができない作業部屋や、江戸時代の板木など見せてもらうことができてものすごく感動したし、まさかの唐紙づくりを体験させてもらえて*1、それはもうもうもう楽しかった!!絵の具を板木にのせることの難しさといったらなかったけど。絵の具を板木にのせる作業、和紙に判を押す作業、すべてが感覚で、職人ひとりひとりによって少しずつ違うらしく、誰かに教えるということがとても難しいのだそう。水の音、板木に絵の具をのせる音、和紙を押す感覚、言葉では伝えにくく、実際にやってみないことには何も掴めない。何度も何度も同じ作業を繰り返して、感覚を覚えるしかない。まさに職人の世界。
先輩は丸5年ここで働いていて、現在最長記録を更新中らしいです。そんな先輩の話を聞いていると、「唐紙」が本当に好きなんだなっていうのがひしひしと伝わってきたし、唐紙の良さをたくさんの人に伝えたいっていう気持ちも同じくらい伝わってきたし、あと何よりね、先輩がとても輝いていて、それがすごくうれしかったし誇らしく思えました。
友だちも連れてきていいよって言ってもらったので、また誰か誘って行こう。これは、いろんな人に見てもらいたいなぁ。


*1:普通なら費用がかかるものなのに。